中古住宅のホームインスペクションの重要性と注意点

中古住宅のホームインスペクションの重要性と注意点

中古住宅のホームインスペクションの重要性と注意点

住宅市場において、中古住宅の選択は多くの人々に検討されるものとなっていますが、購入する際には慎重な判断が求められます。その中で重要なプロセスの一つが「ホームインスペクション」です。これは、専門家が住宅の状態を詳細に確認するもので、建物の構造、配管、電気系統などを詳しく評価します。インスペクションを行うことで、潜在的な問題を事前に把握でき、リノベーションを検討する際にも非常に有益です。しかし、ホームインスペクションにはメリットだけでなく、デメリットや注意すべきポイントも存在します。本コラムでは、中古住宅におけるホームインスペクションの重要性や、その利用に際して考慮すべき事項を詳しく解説し、理想的な住まい探しをサポートします。

目次

    ホームインスペクションとは?

    ホームインスペクション(建物状況調査)とは、国土交通省の定める講習を修了した建築士が、建物の基礎、外壁など建物の構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分に生じているひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合の状況を把握するための調査です。

    売主と買主の中立の立場で調査をするため、買主の立場からすると、高いお金を払って購入する物件の状態を購入前に確認することで不安を解消することができ、売主側からすると価格設定の根拠になったり、安全性を確保しているということでより、売却しやすくもなります。

     

    ホームインスペクションの主な調査項目と流れ

    ホームインスペクションは、住宅の状態を評価するための詳細な検査です。主に以下の点が調査されます。

    ①建物の外部を確認します

    ・コンクリート部分のクラック等を確認

    ・外壁のシーリング材やひび割れを確認

    ・屋根や軒裏を見える範囲で確認

    ・バルコニーの状況を確認

    ・コンクリートの非破壊検査を実施(共同住宅)

    ②建物の内部を確認します

    ・室内の壁、天井等の雨漏り跡を確認

    ・1階床下点検口、各階天井点検口内の確認(戸建住宅)

    ・各居室の床、柱等で著しい傾斜の有無を確認

    ③[オプション]給排水管路等を確認します

    ・各水栓より水を流し、給水管、給湯管、排水管に漏れ、詰り、逆流、あふれが無いか確認

     

    メリット・デメリット

    それではホームインスペクションの具体的なメリット・デメリットを見ていきましょう。

    メリット

    ①安心して不動産売買できる

    住宅の状態が明確になることで、買主にとっては購入に対する不安が軽減され入居前にリフォームする箇所が把握できれば、想定外の損傷や劣化により出費が増える心配もありません。
    適切なリフォーム工事を実施できるうえ、住宅ローンにリフォーム予算も組み入れられます。また売主にとってもインスペクションの結果を基に、価格交渉や修理の要求が可能になり、リフォーム履歴や大切に使ってきた実績が評価を高め、築年数や周辺の相場以上の価格に設定できたり中古住宅の売買を活発化する役割も担っており、売り主と買い主双方が納得できる取引につながります。

     

    ②売買後、トラブルになりにくい

    不動産売買が成立したあとトラブルになるのは、想定外の瑕疵が見つかり、買主が「損した!」と感じるからです。買主が債務不履行で売主の責任を追及しようとするのは、当然の流れです。

    ホームインスペクションによって老朽箇所を洗い出し、売主と買主が契約書や重要事項説明書等で劣化状況を承認し合うことで売買後のトラブルを防ぐことができます。

     

    ③既存住宅瑕疵保険に加入できる

    既存住宅売買瑕疵保険とは「構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分等に欠陥が発見された場合に、その補修費用をまかなうことができる」保険のことです。

    この保険に加入するには、建築士資格を持った検査員によるホームインスペクションが必須となっていて、検査した事業者が加入します。既存住宅売買瑕疵保険加入済みの物件は買主の安心が得られ、未加入の物件より高くスピーディーに売れやすくなるでしょう。

     

     

    デメリット

    メリットがたくさんありますが、ホームインスペクションを行うことによって物件自体の評価が下がってしまうこともあります。そのため建物検査の利用に消極的な不動産会社もあります。不動産会社もホームインスペクションの重要性を理解している会社を選びましょう。また、ご自身でもホームインスペクションについての知識を少しでも持っているとよいでしょう。

     

    検査に費用がかかる

    ホームインスペクションを実施すると、検査費用がかかります。費用の相場は検査事業者や物件規模によって違いますが、おおよそ4~7万円くらいです。マンションのほうがやや安く、一戸建ての場合、床下や屋根、小屋裏(屋根裏)も調査すると6~12万円くらいかかります。

     

    ②すべての瑕疵を発見できるわけではない

    「既存住宅インスペクション・ガイドライン」によると、インスペクションの調査範囲は以下のように書かれています。

    ・現場で足場等を組むことなく、歩行その他の通常の手段により移動できる範囲

    ・戸建住宅における小屋裏や床下については、小屋裏点検口や床下点検口から目視可能な範囲

    ・共同住宅においては、専有部分及び専用使用しているバルコニーから目視可能な範囲

    中古物件の売買でおこなわれるインスペクションは、上述のとおり主に目視による非破壊検査です。住居の隅々までひとつ残らず調査するわけではありません。

    断熱材や配筋などは目視できず、設備についても依頼者の意向がない限り検査しない業者もあります。つまり、不動産売買のトラブルを完全に防げるわけではありません。

     

    ③売主にとって気持ちのいいものではない

    買主からインスペクションを申し入れた場合、売主は「あら探しをされる」と感じるかもしれません。申し入れを断る売主がいたとしても、不思議ではないです。

    インスペクションしないと物件が売れなくなるわけではないので、売主が「インスペクションなしで買ってくれる買主を探そう」と考えたとしても、それは自由です。

    買主がどうしても「その物件が欲しい」と感じるなら、売主の希望を飲まざるを得ないでしょう。

     

    ホームインスペクションの費用の相場

    ホームインスペクションの費用は地域や物件の形態、その他の条件によって異なります。一戸建ての場合は、目視による判断の場合5万円~7万円、目視だけでは判断できない場合は6万円~12万円程度かかります。マンションの場合費用はだいたい4万円~6万円程度が相場になります。

    費用の内訳は実際にホームインスペクションをしてくれる住宅診断士や住宅検査員の人件費や、報告書の作成費などになっています。

     

    ホームインスペクションの具体的な流れ

    ①ホームインスペクターを探す

    ②必要書類の準備や送付

    インスペクション会社が決まったら必用書類を送ります。建物配置図や各階平面図(耐力壁位置記載の図面)、立面図や断面図、内外部仕上げ表、仕様書などです。

    ③ホームインスペクションの実施

    住宅診断士や住宅検査員が依頼主立会いのもと、住宅の調査を実施します。だいたい2時間から3時間ほど調査にかかります。

    ④調査報告書の受け取り

    調査報告書を受け取り調査料金を支払ったら終了です。

     

    まとめ

    ホームインスペクションは売主・買主の双方にメリットのある調査です。しかしデメリットにも書いたように売主にとっては不都合なこともあり、トラブルに発展してしまうこともありますので、今回のコラムを参考に少しでもホームインスペクションを知ったうえで物件探しをしてみてください。

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