〈マンションでペットと暮らす〉規約トラブル回避の物件選びとリノベ対策を解説!
マンションの約8割が“ペット可”であると言われている一方で、近隣住民とトラブルになる事例は少なくありません。
今回は、マンションでペットを飼う際に知っておかなくてはいけないルールやマナー、物件選びのコツを紹介します。
ペット・飼い主のどちらも快適に過ごせる家づくりのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
■ ペット可のマンションでも“規約・細則”は要注意!
マンションで暮らす上で守らなくてはいけないのが「マンション管理規約」です。住民の快適な生活を維持するためだけではなく、物件の資産価値を保つために設けられた“ルール”で、各戸の住民及び所有者は必ず守らなくてはいけません。内容は、国土交通省が作成した「マンション標準管理規約(単棟型・団地型・複合用途型)」を基に、物件ごとに作成されます。
〈マンション管理規約で決められている主な内容〉
□ 共用部分・専有部分の範囲や使用方法
□ 管理組合の運営方法
□ リノベーションに関するルールや禁止事項
□ ペットに関するルールや禁止事項
〈ペットに関する主な規定例〉
□ 管理組合への飼育申請・追加管理費の支払い義務
□ ペットの飼育可能頭数
□ ペットの飼育可能種類(動物の種類・大きさ)
□ 共用部の使用ルール(エントランス・エレベーター・ベランダなど)
□ 予防接種・ワクチン接種の義務化
□ 不妊手術・去勢手術の義務化
□ 防音床へのリノベーション義務化
ペットを飼う場合には、マンション管理規約に記載されている内容を全て守らなくてはいけません。
少々厳しいと感じるかもしれませんが、共用部が汚れたり臭いがついたりしたことで資産価値が下がることを防ぐ目的や、ペットを飼わない住民への配慮ゆえの決まりです。
■ マンション管理規約の変更や交渉は難しい?
「うちの子は静かだから」とペット不可のマンションで飼育したり、ルールを守らないと、管理組合長の権限で退去命令が下されるかもしれません。
それだけではなく、過去には、物件そのものを手放さなくてはいけない判例も出ています。
なぜなら、「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」では、義務違反者に対する措置に関する条文が設けられているからです。
〈ペットに関する規則違反で適用される可能性がある条文〉
□ 第57条「共同の利益に反する行為の停止等の請求」(行為の差し止め請求)
□ 第58条「使用禁止の請求」(一定期間、専有部分の使用禁止を求められる)
□ 第59条「区分所有権の競売の請求」(所有者の意思は関係なく競売にかけられる)
□ 第60条「占有者に対する引渡し請求」(専有部分を賃借している場合、占有者の賃貸借契約の解除を強制できる)
ちなみに、マンション管理規約を個人の要望で改正したり、特例としてペット飼育を許可してもらえるように交渉することは簡単ではありません。
なぜなら、規約の内容改正を行う際には、管理組合で特別多数決議を行い、議決権数(区分所有者数)の3/4以上の賛成票を獲得しなくてはいけないからです。
つまり、個人の要望で規約を変更したり、“特例”として認めてもらうように交渉することは、かなりハードルが高いと言って間違い無いでしょう。
■ マンションでペットと気持ちよく暮らすためには“マナー”も重要
マンション管理規約を守ることは、マンションに住むための最低条件です。
近隣の方と良好なご近所関係を保つためには、さらにマナーについて考えてみてください。
大切なのは、「ペットを飼っていない・好きでない」人の気持ちになることです。
他の住民から苦情が出てしまうと、マンション管理規約を守っていても、住みづらく転居を余儀なくされてしまうかもしれません。
〈ペットをマンションで飼う際に気をつけるべきマナー例〉
□ ベランダや専用庭でブラッシングしない(フケ・抜け毛への配慮)
□ ベランダや専用庭でトイレをさせない(臭い・衛生面への配慮)
□ ベランダや専用庭に長時間ペットを出さない(鳴き声への配慮)
□ 共用廊下やエントランス、ロビーでペットを連れて長話をしない
□ 共用廊下やエントランス、ロビー、エレベーター内ではできるだけペットは抱えるかゲージに入れて運ぶ
□ 共用部ではできるだけ他の住民と距離をとる
□ 共用部でペット同士を遊ばせない
□ 散歩から帰ったら足の汚れを落としてから建物内に入れる
□ ペット専用足洗い場以外で体を洗わない
□ 早朝や夜中に無駄吠え・無駄鳴きをさせない
□ 早朝や夜中に部屋の中を走り回らせない(足音対策)
ペットがストレスを溜めないようにすることは飼い主として当然のことですが、時間や場所を弁えないと、近隣トラブルへ発展しかねません。
近隣の方が嫌な思いをせずに済むように、ペットを飼い始める際は、前もって挨拶しておくことをおすすめします。
■ マンションでのペットが原因のトラブル事例
ペット可のマンションが増えている中、鳴き声や臭いなどの近隣トラブルも増加しています。
解決するために、当事者同士で話し合う方法が多いと思うかもしれませんが、管理組合全体の議題に上がったり、訴訟に発展してしまうケースも。
そうなると、そのままそのマンションで暮らすには少々居心地が悪くなってしまいますよね。
ペットのトラブルが原因で引越しせざるをえなくならないように、トラブル事例を踏まえて対策をとりましょう。
〈ペットが原因の近隣トラブル事例〉
□ 放し飼いにしていたことによる、ベランダへの侵入トラブル
□ 早朝・深夜の鳴き声トラブル
□ ペットの糞尿を放置したことによる窓・玄関・通気口からの悪臭トラブル
□ 共用部(エントランス・ベランダ・エレベーター)などの汚れ・抜け毛トラブル
□ 足音(走り音)による階下への騒音トラブル
□ ペットトイレのゴミ出しトラブル(臭い、衛生面でのトラブル)
□ ペットが玄関から脱走したことによるトラブル
□ 共用部でペットが吠えたり飛びかかってくるトラブル
□ 共用部でペットを洗ったことでのトラブル
騒音や悪臭に関するトラブルは、「軽犯罪法」や都道府県の「動物の愛護及び管理に関する法律」に違反する可能性があるため、特に気をつけましょう。
ポイント
トラブルの多くは、飼い主によるペットへの“しつけ”で防げますが、住まいを工夫することで、ペット・飼い主・近隣の方が過ごしやすくすることもできます。
そのため、ペットを飼う際には、物件選びや間取り・内装・設えまで、慎重に検討しましょう。
■ ペットとマンションで快適に暮らせる“物件選び”のポイント
ペットと快適な生活を送るためには、どんなマンションを選ぶかが重要になります。
以下の観点から、物件を選びましょう。
〈ペットと暮らすマンション選びのチェックポイント〉
□ 管理規約による制限がないか
□ ペットを飼っている世帯がどのくらいいるか(多い方が理解を得やすい)
□ ペットが室内を行き来しやすい回遊性のある間取りか
□ ペットを飼うのに十分なスペースを確保できるか
□ ペット用品をしまえる収納スペースはあるか(衛生面やいたずら防止のために必要)
□ 階下への足音対策は取られているか(防音床の採用)
□ ペットと飼い主が健康的に暮らせるための換気システムは備わっているか
□ ペットの落下・脱走対策が取られているか(飛び出し防止)
□ ペットの事故が起こらない水回り(設備)が備わっているか
□ キズや汚れがつきにくい内装になっているか(抜け毛・フケ・糞尿・爪痕など)
これら全てを備えたマンションは限られているため、“リノベーション”前提で中古マンションを選ぶのがおすすめです。
なぜなら、窓や玄関の位置は変えられませんが、断熱リノベーションや防音リノベーション、間取りや設備、内装を変えるフルリノベーションによって、解決できるトラブルは多いからです。
ただし、ペットも飼い主も居心地の良い住まいに変身させるためには、ペットリノベーションの実績が豊富な会社へ相談するのがポイント!
間取りの構成から、ドアや床、設備機器の仕様、インテリアデザインまで、細かくアドバイスしてもらえます。
最後に
Nplus studioでは、物件探し・設計デザイン・リノベーション施工までをワンストップでお手伝いさせていただいております。お客様のライフスタイルに合わせたペットリノベーションを得意としております。ぜひお気軽にご相談ください。
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